IT、AI、ロボット…富める者は富み、貧しき者は貧しくなるか

 




IT、AI、ロボットを統制する者、統制される者

IT(情報技術)に続き、AI(人工知能)やロボット技術は、「富める者はますます富み、貧しき者はますます貧しくなる」という流れを極端まで押し進めます。IT、AI、ロボットに関連したビジネスを統制する人は、大きな富を築き、続いてそれを活用する上位5%は金持ちになり、残りの者は吸い取られます。IT、ロボット、AIは、ほんの一握りの者しか制御できません。それを活用していける上位5%もすごい能力者と言えましょう。あとは盤上のコマにすぎないのです。

世界は常に上位5%に支配されていましたが、今ではそれがさらに悪化しました。今後はさらに悪化するでしょう。

すでに世界上位1%の富裕層が、残る99%の資産の2倍に達する時代になりました。

かつて、世界が十人の世界統制官に支配される、『すばらしい新世界』(オルダス・ハクスリー)という古いSF小説がありましたが、まさしくそれが現実化しつつあります。

発展速度がますます加速、大半が追いついけず

Amazonが1994年に米国で設立されました。楽天は日本で1997年に、韓Auctionは1998年に、中Alibabaは1999年に設立されました。インターネットが人々の生活を支配しはじめてから、まだ30年も経っていません。その間にロボット産業は、製造業の自動化に導入されてきましたが、今ではそれを超えて我々の生活圏や各種サービスまでに踏み込んできました。米Googleが開発する囲碁専用ディープラーニングシステム「AlphaGo」(アルファ碁)が、韓国のプロ棋士・李世ドル(Lee Sedol)氏との対局で勝利したのは、ちょうど8年前です。

自律走行車が登場し、キオスクで注文、ロボットがコーヒーを淹れ、ロボットがサービングをし、ロボットが田んぼで雑草を抜いてくれます。ドローンが殺虫剤も散布してくれます。

普通、人はYouTubeを見たり、スマホを買ったり、AIで作られた映画やゲームで楽しんだりして、苦労して稼いだお金で支払います。

しかし、ほとんどの人はロボットやAIはおろか、インターネットでさえお金を稼ぐことに活用できていません。このままでいけば、あっという間に働き場もなくなり、生活の基盤も失われます。IT、ロボット、AIに支配される以前に生きてきて、それなりに準備した年金で老後の心配なく暮らしていける人は、よほど運のよい人と言えましょう。

それでもティクーンは知識を伝える

そのような流れの中で、誰もが大きな統制者に飲み込まれていくのかもしれませんが、それでも当社はオンライン事業者の端くれです。時代の波をつかんでいます。だから少し安心です。

プラットフォーム事業をしていてつくづく感じることは、30代や40代の人でさえ電子商取引の本質を理解する人がほとんどいないということです。デジタル・マーケティングの知識をもった人がほとんどいません。それでも電子商取引のノウハウは、ロボットやAIの発展に比べれば、かなり低い段階にあるのです。

YouTubeは今の時代を説明し得る良い例です。YouTubeはさながら世界統制官です。すべての収益は第一に統制官である米Google社、YouTubeが稼ぎます。ユーチューバーの収入構造をみても、ピラミッドのようです。韓国では、ユーチューバーの上位10%が、ユーチューバー全体の80%の収益を得ているそうです。

どの世界も同様です。最上位者がいて、そこに追従する上位10%の者が80%以上の収益を占め、残った者は単に市場(market)を形成することに生半可に参加し、吸収されていくのです。

日本の人口のうち、上位5%が裕福に暮らし、上位10%もそれなりに暮らしていますが、中間層は今は大丈夫でも、時間が経って気がついたときには、きびしい生活を余儀なくされる可能性があります。その速度は、ますます激しく、ますます速くなっています。ITやロボットやAIの進歩が加速しているからです。

生計を立てるには時代の波についていかねば

当社は越境ECの支援をしながら、AIやロボットに関する知識はおろか、インターネットすらまともに扱えない人が多いという事実を知りました。ITは元々難しいものです。それをうまく活用して独占している人はほんのわずかで、ほとんどの人は単なる利用者にすぎません。

ティクーンは、「越境EC」という領域だけはしっかりと基盤を持っていて、越境ECを地道にやってきました。ですから、越境ECに関する先端知識は少しは得ています。ティクーンは習得した情報や知識を、このブログを通して熱心に伝えています。しかし、ほとんどの人はティクーンが言わんとする真の意味を把握できていません。難しいから知ろうとしないのかもしれません。

ドローンを利用して農薬を散布する人が現れたかと思えば、いつまでも背中にポンプを背負って農薬をまきながら、健康を害する人もいるのです。オフラインだけに留まる人は、後者に近いかもしれません。最近は、競争を放棄して素朴に生きる道を選ぶ人たちもいますが、彼らはまだ恵まれているかもしれません。多くの人が、いまだに都市で悪戦苦闘で生活しながら、時代の波についていくこともできず、脱することもできずにいるのです。

しかし、時代を読む事業者ならば、なんとか現状を脱していかなければなりません。

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