加速するEC化時代、世界に目を向けずには滅びる
世界的なコロナ禍で加速化したオンライン通販ですが、
そのビジネス環境と特徴を正確に理解している人はほとんどいません。
韓国の教訓~オフライン市場の終焉が加速化
韓国の総合ECモール「クーパン」は、韓国全域にわたって24時間体制で配送を行っています。しかも格安です。この「クーパン」ゆえに、リアル店舗である大型量販店「eマート」や「ロッテマート」がつぶれかかっている状況です。地方の市場やマーケットも、お客さんがいないので早めに閉店するところが増えてきました。アフターコロナになったにもかかわらず、「今までで最も不景気」と嘆いている店主がたくさんいます。
韓国はEC化率(ネットによる商品購入の割合)が世界第3位(30.1%)で、しかも日本の2倍(現在日本は12.9%)の速度で加速化しています。モバイル決済比率も46%で世界第2位です。日本ではアフターコロナになって以来、EC化の成長が鈍化し、極端なEC化による反作用がありませんでしたが、韓国はいまだにEC化が進んでいます。その結果、どんどんオフライン市場が厳しくなっています。
韓国の一般庶民は、世界的な不景気な中で、なすすべがなく、コンビニやカフェ、学習塾、飲食店、クリーニング屋など、チェーン店を始める人がたくさんいますが、なかなかうまくいきません。もちろん成功する人もいます。しかしその確率が非常に低いのです。可能性のないながらも成功を夢見ているのです。
EC化は世界を単一商圏にし勝者が独占
リアル店舗は集客が特定の地域に限られていますが、ネットショップの場合、集客が特定の地域に限られません。全国にいるすべての販売者が、全国にいるすべての消費者を相手に商売ができます。消費者もその場でワンクリックするだけで、いとも簡単に他のネットショップに移動が可能です。物流システムも発達し、近くの店でも遠くの店でも、それほど配達時間に差がなくなってきました。
今はこれが国内全土に限らず、全世界の間でやり取り可能な時代になってきました。それは投資においても同様です。さきほどの韓国1位のECモールである「クーパン」は、筆頭株主がソフトバンクグループです。現在は、中国のアリエクスプレスとテムが。2位と4位の座を占め、急速に伸びています。これはグローバルな超巨大企業だけが生き残り、独占していくということを意味しています。インターネットはそれをますます加速化させます。
大手ECだけが海外進出に成功するわけではない
しかし、グローバルなECモールは必ずしも海外で成功するとは限りません。今まで多くの大企業が海外進出を試みてきましたが、すべてが成功して定着できているわけではありません。「クーパン」は多くの国に進出しましたが、今は韓国以外ではそれほど成功していません。中国の「アリエクスプレス」や「テム」も日本に進出しましたが、韓国ほどに伸びませんでした。Amazonは日本では成功しましたが、韓国には進出できていません。
このように、インターネットの世界は、一見して国境がないようにみえても、意外とハードルが高いのです。世界的なビック企業ですら海外進出は容易ではありません。しかも、海外進出は大企業のほうがむしろ奥手にならざるを得ないとも言えます。中小企業は身軽なので、そのぶんフットワークがいいと言えましょう。そのぶん越境ECもしやすいのです。国内では競争が激しくて、中小企業が生き残るのはほとんど不可能ですが、海外には道があります。探せば大企業が手を出せていないブルーオーシャンがあるのです。
ティクーンは早くから海外に着目
ティクーンは2007年以来、アドプリントを立ち上げながら、名刺、ステッカーなど、海外工場で製作販売しながら基盤を築いてきました。ティクーンが国内アイテムだけに目を向けていたら、グローバルな価格競争に勝つことができませんでした。海外アイテムに目をつけたからこそ成功しました。
今でもティクーンは、エアー看板やYOKIプラザなどで、韓国アイテムを取り扱っていますが、いずれも安定した黒字構造です。中国アイテムを取り扱っているアドフラッグも好調です。
ティクーンは500万円の資金でスタートしました。海外に目を向けていなければ、既にアウトでした。越境ECをしていたからこそ生き延びました。そして、今ではいろいろな会社がティクーンを利用して、越境ECで成長しています。
越境ECはいったん成功すれば大成功を収められる
リアル店舗の拡張は、非常に困難です。エリアが分かれているからです。拡張するには、大規模な資本を投入する必要があります。しかし、オンライン市場は、地理的な境界がないため、いったん成功すればますます成功します。オンラインはいったん根を下ろせば強固です。「難解であるだけに成功すれば代価が大きい」というのがオンラインの法則と言えましょう。
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